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東京都千代田区神田駿河台3-7-5 TEL：03-5280-0507 17:00-22:30/無休 予算：4000～6000円 予約可

焼肉を食べ歩いていて思うのは、店の見た目と肉質にはしばしばギャップがあるという事だ。豪華な門構えの店だからといって肉も良質だとは限らないし、逆にお世辞にも立派とは言えないような店で見事に美しい霜降りの和牛にありつけることもある。ま、だから焼肉はやめられないのだが。

さて、お茶の水の路地裏にぽつんと佇むこの店も良い意味でギャップが大きい店だ。赤い庇にでかでかと書かれた「デスカウント卸売ショップ（原文ママ）」の文字はどうみても怪しげ。飾り気のまったくない店内に置かれた細長いテーブルや背もたれのない丸いパイプ椅子、小さなテレビなどはまさに学生街の定食屋といった雰囲気。卓上には昨今のオシャレ焼肉の潮流に真っ向から逆らう大きめのガスロースターがでんと乗っている。しかし、こと肉質に関してはここは間違いなく最高クラスの一角である。

「マルタケ」の魅力は安価に上質肉を供するところにある。お手元のメニューの他にも黒板にその日のお勧めが書いてはあるが、YAKINIQUESTがお勧めしたいのは店員さんに価格と好みを伝えた上での「美味しいとこの盛り合わせ」オーダーである。例えば「5000円くらいで、ふつうの肉を、塩で」とか「ホルモン系と正肉系を半々くらい、タンは絶対欲しい」みたいにリクエストをすれば良い。後はお任せでその日のお勧め肉を見つくろってくれるという寸法だ。

ちなみに訪問時は前述の通り「5000円・一般的な肉・塩」と頼んだところ、出てきた盛り合わせの内訳は以下の通りだった：上タン塩２枚、特選カルビ厚切り２切れ、特選カルビ薄切り（超大判）２切れ、そして200ｇはあるかと思われるサーロインが１枚（ページ最上部の写真参照）。どれもため息が出るほど美しく、しかも霜降りなのに胃にもたれない上質さ。脂の香りと旨味がしっかり感じられたのも印象的だった。
そして、これだけの肉なのに値段がリーズナブルなのがまた嬉しい。食肉卸の直営肉だからこそ可能なのだろう。肉は前沢牛が中心というが、上記の「価格指定＆お任せ」オーダーを駆使すれば細かなバジェットコントロールが可能になり、安心して極上肉を堪能出来るだろう。＊現在では6000円程からでお任せを受け付けているようだ。残念ながら昔ほどリーズナブルに抑えることは難しいだろう

また、店員さんもとても感じが良い。客に愛想を振りまくような接客ではないのだが、美味しい肉を食べたいという情熱には真摯に応えてくれるという姿勢を感じて非常に好感を持った。次回はあれもこれもリクエストしてみよう、ついそんな気になってしまう嬉しい店である。

なんとも男らしい店構え	特選カルビ薄切り（タレ）	魅惑のサーロイン（塩）

＜YAKINIQUESTよりヒトコト＞
・頼むべきは「美味しいとこ盛り合わせ」。予算と肉の好みを店員さんに伝えよう。
　＊最近牛肉の原価高騰を受けて「盛り合わせ」がNGの場合があるらしい。また「盛り合わせ」の最低価格も記事を書いたときよりも上がっているようだ。
・単品なら特上ハラミ・特選薄切りカルビ・上タン塩あたりが秀逸。
・この店ではとにかく店員さんに何でも相談してみることをお勧めする。