Epilogue
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アメリカに肉の日は存在しない(少なくても私が知る限りにおいてはないし、世界中どこを探してもないのではないか)。January 29th 、February 9th等、どんな読み方をしても「Ni-ku」「Meat」にはならない。焼肉好きな輩にとっては非常に辛いが、これは素直に受け入れるしかない。私の場合は、学生として留学していた身なので、FinanceやMarketingのグループプロジェクトのミーティング(MEATtingではなくMeeting)が頻繁に行われる。これらのミーティングはいわゆる放課後の時間を使って行うことがほとんどである。当然、29日にもミーティングが行われることはある。内容の濃いミーティングを終え、家路につこうとした際「Let's grab some beer and pizza.」と他のメンバーに誘われると、これまた辛いわけである。私にとっては肉の日であっても、他の人にとっては関係ない。日本ではクライアントにも遠慮なしに言えた「申し訳ありませんが、肉の日なので今日はお先に失礼します」。アメリカではストレートに答えられないもどかしさに耐えざるをえなかった。
では、焼肉は海外で寿司、てんぷらに次ぐ日本を代表する食になるポテンシャルはあるのか?Plan3のように自宅に友人を招いてホットプレートで焼肉を振舞ったり、日本に遊びにきた学校の友人を東京の焼肉屋に案内した経験から、焼肉は受け入れられると確信している。ただ、アメリカ最大の都市、人口約800万人を抱えるニューヨーク市に焼肉屋は9軒しかない(アメリカの情報サイト「Citysearch」でYAKINIKUを検索した結果。2007年10月時点)。同サイトでKoreanRestaurantを検索しても80軒である。ちなみに、東京都の人口約1200万人に対して焼肉店は約2400軒(iタウンページにて「焼肉店」と分類されている店の数。2007年10月時点)。ビジネススクールで誰もが習うポーター教授の有名な5Forces Frameworkを使って焼肉屋市場を分析すると、たいへん魅力的ということになるだろう(参入障壁は低いが、競争は決して熾烈ではなく、顧客は高い金を払う準備があり、代替品は主に家庭もしくはファストフードや郊外型チェーン店で食べるステーキやハンバーガー。サプライサイドについてはリサーチが必要だが、肉の仕入れルートは決して少なくないと予想される)。YAKINIKUが海外で一般用語となる日も実はそう遠くないのかもしれない。
最後に、冒頭の外務省のデータや渡航スケジュールを除き、あくまで自分の経験をベースに書いているので、決して完全なものではない。さらに、みなさんが訪れる店によって私が書いている内容と若干ズレがあるかもしれないが、そのあたりは大目に見て貰えたらと思う。