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大阪府大阪市中央区難波4-3-23 TEL:06-6632-1554 18:00-22:00/土日祝休 予算:7000〜10000円 予約可(会員制) |
路地裏にひっそりと佇む、誰も知らない穴場。焼肉店には何故かそんなところが多い。そしてそういう店を人に教えるのは何故だがとても楽しい。そんな訳で、我々はまたひとつそんな店を紹介できることが嬉しくて仕方ないのだ。
場所は大阪・なんば。新歌舞伎座の裏手に回ると、注意してないと見逃してしまいそうなくらい細い路地がある。仮に見つけたとしても、普通ならば入っていこうとすら思わないほど狭く怪しい路地である。その中にあるのがこの「弁慶」だ。オンボロなドアに「会員制」の札。営業中もカーテンが下りていて中をうかがうことはできない。一見さんが入ることはまず無いと思われる店構えである。(ちなみに会員制とはあるが、電話で予約を取ったところ普通に入ることが出来た)
店内は4人掛けのテーブルが2つに、カウンターが実質6席ほど。つまり14-5人が限界の広さだ。明らかにスナックを居抜きで使っているその風情は妙な潔さすら感じさせる。カウンターに立つマスターはもの静かではあるが、その立ち振る舞いや言葉の端々からは自身の料理に対する誇りと自信がビシビシと伝わってくる。
こちらの店で外したくないメニューの一番手はローストビーフだ。何故焼肉屋でローストビーフ?と思われる方もいるだろうが是非一度トライしてみて欲しい。サーロインの外側をほんのわずかだけたたきにし、内側はほとんどレアの状態。冷たい状態で供されるので、見た目には硬さや脂と赤身の分離感を連想させるのだが、口にするといい意味で裏切られる。寝かせ方が良いのだろうか、柔らかで溶けるような口当たりなのだ。少し甘みのあるタレとホースラディッシュの組み合わせも絶妙。2人前で8000円(07年時点)とかなり値段は張るが食べておく価値はある。
焼き物では特上カルビか特上ロースをタレで食べたい。このタレもまた素晴らしい。粗引きの黒胡椒を効かせた濃い目のタレが、これでもかというほど熟成させた肉とぴったり合っている。つけダレは逆にポン酢ベースのさっぱり味。つまりつけダレの量で味の変化を楽しめるように設計されているのだ。マスターの料理センスを感じさせる一品である。
ロース刺しも美味。肉が白っぽく見えるほどの霜降りなのにそれほどくどくないのは脂の質が良いからだろう。他にタン塩も美味いが、ニンニクたっぷりの下味がちょっとくどいかもしれない。
ちなみにこちらの店の営業時間はわずか4時間。しかも20:00過ぎの客は基本断っているらしい。ということはせいぜい一回転半くらいの回転率なのだろう。一日20名前後だけが体験できるこの味を、是非あなたにも味わって欲しい。もちろん、あの細くて狭い裏路地を見つけられればの話だが。
あなたはこの裏路地を見つけられるか? | マスターも一押しのローストビーフ | 熟成しまくった特上のカルビ&ロース |
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・お金に余裕があればローストビーフを。刺身が好きならばロース刺しも
・特上のカルビとロースをタレで
・「会員制」とあるが、電話予約をすれば一見でも入れるはすだ