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東京都港区赤坂3-16-3 伊勢幸ビル2F TEL:03-5573-8929 17:00-24:00/無休 予算:6000〜9000円 予約可 |
都内有数のコリアンタウンゆえ、数多くの焼肉店がひしめく東京・赤坂。2010年、名店「よろにく」の系列店が鳴り物入りでこの地に登場した。みすじ通りに面していることと、希少部位の「みすじ」が看板メニューのひとつであることをかけ合わせたその店名は、あっという間に赤坂近辺のみならず東京中に知れ渡ることになった。
人気の一番の理由は肉質の高さだろう。タン、ハラミ、ハツ、ロース、みすじ、シャトーブリアンといったよろにくでもおなじみの部位がいずれもハイレベルな状態で供される。メニューリストに書かれた肉の種類は決して多い方ではないが、どれも安定して高品質なのが素晴らしい。要は「外し」がないのである。
しかし、我々ヤキニクエストが着目しているのはむしろメニューに「カルビ」がないことだ。このお店にカルビがないことは言われてみて気づいたという方もいるかもしれないが、実はこれは並大抵のことではないと思う。何しろカルビはどの焼肉店でも一番の人気メニュー。いわば定番中の定番だ。メニューになければ場合によってはクレームにもなりかねないのに、'10年の時点で赤身ブームを読み切り、カルビをリストから外した決断力と先見の明には驚くばかりだ。
そして代わりとばかりに「赤身」という名のメニューを設定。恐らくヒレを使っていると思うが、もう1つの看板商品である「みすじ」と同様「並じゃない赤身」「特上赤身」という肉質のグラデーションを提示することで、店として味わせたい肉を明確にしているのだ。この2つの肉は脂量の違いはあるものの、いずれも舌触りの滑らかさと柔らかな食感を持ち、赤肉らしい旨味を万人に楽しんでもらいやすい部位。ここにフォーカスを当てたことこそがこの店の真骨頂だと思う。
果たして、大人の街にふさわしい大人のための焼肉店が出来上がった。いつでも上質な肉に出会える安定感、赤身やさっぱりした肉を中心に据えた30過ぎの胃にも優しいラインアップ、シメに食べれば焼肉らしい満足感に浸れる霜降り肉(シルクロース)...。まさしく、練り上げられた感動体験のシナリオがそこにはあるのだ。
ちなみに店内は「よろにく」よりはややカジュアルな雰囲気。価格も少々低めの設定となっている。2号店だと捉えるよりも、コンセプトが違うと思って訪れた方がいいかもしれない。とはいえ、確実に満足できるという意味ではどちらも共通している。
「並じゃない」赤身とロース | シャトーブリアン | タンやハツのクオリティも「よろにく」ゆずり |
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・赤身、みすじは「並じゃない」と「上、特上」で食べ比べるのも一興
・個室は無いが2名並びのカウンターがあり、カジュアルな利用もOK