QUEST
四国・淡路遠征レポート Day2#2 by gypsy
四国の地形は、見ていて実に飽きない。
まず山が多い。どこに行っても必ず山が目に入る。
初夏ということもあり、その山々の緑が鮮やかで実に目に心地よい。
さらに海に囲まれているので、ちょっと高いところに行くと海が見える。
そしてそれらの風景を包む青空と入道雲。
一言でいえば、"健全な夏休み"とでもいおうか。
とにかく、気持ちのよい景色が続くのだ。
しかし一方で、四国の高速はトンネルが非常に多い。
特に四国を縦に横断する高知自動車道はすごい。
ヘタしたらトンネルの方が普通の道より長いんじゃないか?
と思えてくるほどに、トンネルまたトンネルなのである。
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この日3軒目は「食楽園」という名の、路地裏の小さな焼肉店。
質実剛健な肉を出す、家族経営の小さなお店だ。
メニューの種類も少ない。例えばタンは上も並もなく一種類。
しかし、このレベルで出してくれるならばじゅうぶんだ。

2日目最後のお店は香川である。
何度目かの高松自動車道にて、徳島から香川へ。
目指すは高松市の「丸恵」だ。
四国の焼肉店の傾向として「かなり濃い味のつけダレ」が挙げられる。
なんというか、醤油ベースのタレにねっとりとした辛さと甘さを加え
最後はニンニクでまとめあげたような、かなり強烈な味なのである。
こちらのタレも傾向としてはそうだった。
ただし他店に比べ味噌味が強く、独自の工夫がある。
そして、それとは別にポン酢ダレがある。これがよかった。
濃い味一辺倒だとどうしても飽きてしまうところに、
ポン酢が間に入ってくれると俄然食が進むのである。
(写真左がポン酢ダレ、右が通常ダレ)

肉質も総じてレベルが高い。
一人前1000円を超えるものが殆どないことを考えると
コストパフォーマンスとしては素晴らしいものがある。
なるほど、地元客で行列なのもうなづける店だ。

(つづく)
四国・淡路遠征レポート Day2#1 by gypsy
さて、2日目である。
ところで高知といえば、「海」の印象が強いのではないだろうか?
それは、我々にとっても例外ではなかった。
そこで、「海」と「焼肉」が融合した店、というものを探し、
ランチをハシゴしてみることにした。
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この日1軒目の店は、とにかくアナーキーであった。

まず、店名は「萩の茶屋」だが、立地は海辺である。
看板には「伊勢エビ 焼肉 海賊料理」とある。
ここはいったい、どんな店なのか?
看板を見上げながらしばし立ち尽くす我々であったが、
真夏の青い空が「ま、細かい事は気にするなよ」と言ってる気がして
とりあえずは思考停止状態のまま、店へと入った。
驚く事に、店内は地元客でかなりのにぎわい。
それも海水浴客などではなく、ここが目的の来店だ。
メニューをみると、これまたカオス。
焼肉、海鮮、炒め物、丼もの、そば、うどん、定食...
他のテーブルを見ると、ある人は海鮮を焼き、
ある人は丼を食べ...と、実に思い思いである。
なるほど、地元の人はファミレス代わりに使っているのだな。
ならばこちらの流儀に従うことにしよう、と
我々にしては珍しく、肉+貝をオーダーしてみた。

窓の外には小さな港、そして砂浜。
浜で家族連れがBBQをしているのが見える。
そんな風景を眺めながらのカオスなひとときに、
焼肉というものの懐の深さを改めて知らされたように思えた。
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さて、高知の海、といえばカツオである。
カツオと聞いて思い浮かぶのは「一本釣り」だ。
もちろん我々はカツオを食べに高知まできている訳ではない。
しかし、せめてそのエッセンスだけでも味わっておきたい。
ランチ2軒目の「天下味」には、まるでそんな我々の
ニッチなニーズに応えてくれたかのようなメニューがあった。

そう、カツオならぬ、カルビの一本釣りである。
その名も「豪快カルビの一本釣り焼き」。
どうせなら直火で焼いてたたきにしてポン酢と薬味で...
と妄想したが、そういう食べ物ではなかったようだ。
さて、ここで高知に別れを告げ、今度は一路徳島へ。
(つづく)
四国・淡路遠征レポート Day1#3 by gypsy
次の目的地は、同じ愛媛内の今治市。
はじめて高速を使わずに移動する。
「大栄」は今治城のすぐ近くにある大バコの店だった。
店内は広く、とても奇麗。個室も充実している。

こちらの肉は見た目にも気をくばったカッティング。
サイドオーダーの種類もかなり充実している。
ちょっとした会食などの「公(おおやけ)」に近いニーズのときには
きっと重宝されているお店なのだろう。
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さて、のんびりしている暇はない。
初日の最終目的地は高知なのだ。
ふたたび高速にて、長距離移動である。

本日4軒目となる店は「でべそ」。
ズバリいえば、名前に惹かれたのだ。
飲食店なのに、見事に食欲をかき立てられないネーミング。
それで客は入るのだろうか?と、いらぬ心配をしてしまったが
地元では人気で、最近店舗拡張のため引っ越しまでしたとのこと。
さすがは繁盛店。店内は活気で満ちあふれていた。
店員さんも元気で、かつ目くばり気配りがよくなされている。
お客さん本位の思想は、こんなサービスでも分かる。

わさび、からし、柚子胡椒など全14種の調味料を無料で提供。
例えチューブ入りの練りからしだとしても嬉しいものだ。
こだわり抜いた"店の味"を提供するのも素晴らしいが、
こうしたやり方も、焼肉の楽しさを引き出してくれる一つの方法ではある。
こうして、計5県を走り抜け、3県4店で食べた初日は終了。
明日は高知、徳島、そして香川の3県を巡る予定である。
四国・淡路遠征レポート Day1#2 by gypsy
クルマはいよいよ四国に上陸。
徳島、香川を渡り、愛媛は松山まで約3時間のドライブで
次なる目的地である「富久重」に到着した。
この店もすごい。
ファサードには「出前敏速・学割の店」と大きく書かれている。
焼肉店で出前...しかも学割? いったいどういうことなんだろう。

それよりも、店の裏、おそらく同じ敷地内の建物が
火事でそうとう焼けてしまっている跡があるのが気になる。
きっとごく最近の出来事なのだろう。焼け跡がなまなましい。
幸い、お店は問題なく営業しているようだ。
手元のメニューを見る。こちらもちょっと面白い。
ホルモン店を標榜しているのに、正肉のほうがやや充実しているのだ。
メニューの一番上にはサーロイン。何ともユニークである。

さて、こちらで印象的だったのはこのユッケ。
八丁味噌系の濃い味噌ダレを絡め、卵を混ぜて食べる。
名古屋で「地元の人もビックリ」というくらいの、
超がつく濃い味の味噌カツ丼を食べたときの感じに似ている。
オリジナリティが高く、そしてクセになる味なのだ。
小上がりの座敷は広く、居心地のよい空間だった。
火事のことが多少心配ではあったものの、先を急ぐ旅である。
食べ終わったらすぐに席を立ち、クルマに乗り込む。
(つづく)
四国・淡路遠征レポート Day1#1 by gypsy
遠征の出発点は神戸。
真夏のような日差しの中、レンタカーは明石海峡大橋を渡った。
最初の目的地は四国へ渡る途中の淡路島である。
津名一宮インターで下りると、何とも素朴な風景が広がっていた。
あたりに高い建物はひとつもない。
見渡す限りの田園、畑。そして山。
蒸し暑さすら心地よく感じる、ニッポンの夏の原風景。
今朝まで東京にいたことが嘘のようだ。
1軒目の目的地「ありい亭」はすぐ近くのようだ。
カーナビを頼りに田んぼと民家の間をそろそろと走る。
焼肉店どころか、お店すらなさそうなエリアである。
が、細い道を進み、曲がり、また進んでいくと
突如として我々の眼前に一見のお屋敷が現れた。

焼肉店としてはあり得ないアプローチである。
前に水田、そして写真では分からないが店の後ろには牛舎がある。
何とここで飼っている牛を食べられるとのこと。
いきなりの、度肝を抜かれる展開である。

型破りなのは店構えだけではない。
写真手前の、ステーキのようなヒレ肉が一枚1000円前後(時価)。
あっさりの中にコクがある。いくらでも食べたくなってしまう肉だ。

そして、謎の「薄塩バラ」は何と300円。
干すか燻すかしているように見える肉だが、
店員さん曰く「何もしていない」とのこと。
塩気の強さがクセになる。お酒のアテに最適。
いや、1軒目から、なかなか面白い展開である。
(つづく)
四国・淡路遠征レポート プロローグ by gypsy
ガラパゴス諸島のことは、皆様もご存知だと思う。
かのダーウィンが、進化論の着想を得たといわれる地。
他の大陸と隔絶された環境下で独自の進化を遂げた、
ガラパゴスゾウガメやガラパゴスイグアナなどの固有種が多く存在する、
あのガラパゴス諸島である。

今回、四国・淡路遠征の決行に際して、
何となく頭に浮かんだイメージは「ガラパゴス」であった。
もちろん、四国も淡路も橋やフェリーで本州と結ばれている。
文化の交流だって、はるか昔から行われている。
それでも、何か独自に発展した焼肉文化が存在するのではないか。
過去5回の遠征を含め、全国各地で焼肉を食べ歩くなかで、
地域ごとに特徴というか、傾向があることは分かってきていた。
例えば、九州は甘辛のタレ味が好き。
例えば、中部地区は正肉に味噌ダレを合わせる。
例えば、東北は本格炭使用の店が多い。
などなどである。
当然、四国の焼肉にも何かしらの特徴があるのだろう。
しかし我々が今回期待していたのは、
単なる傾向とか特徴とか、そんな言葉を通り越した、
常人の想像を軽く超えるようなぶっ飛んだ発想...
「ラディカルイノベーション」とでもいうか。
そんなものとの遭遇だった。
つまり、「ガラパゴス焼肉」との出会い、である。
(つづく)
肉備忘録 <食べやすいテール> by gypsy
テールが置いてある焼肉屋は、意外と少ない。
もしあったとしても、薄切りが殆どである。
あの、骨ごと薄くスライスした形状のものだ。
あれは食べにくい。
焼くと、骨が熱々になってしまうからだ。
しかし、その骨の部分を手で持って
しゃぶりつかないと食べられないのだ。
結果、手は熱いわ、肉は噛みちぎれないわ、
ヘタすると唇を火傷しそうになるわで
何となく注文を避けてしまう事になったりするのだ。
テールの味は大好きなのだ。
噛みしめるほどに肉の奥から出てくる旨味。
ゼラチン質特有の固さも、ある種肉らしくっていい。
いつまでも噛んでいたくなってしまう、そんな肉だ。
だから、こういう風に骨からはがして、
食べやすいサイズに切ってくれると、
とってもありがたいのである。

神田「好ちゃん」にて。









































