自慢でも何でもないが、食事を食べるのは早いほうだ。
どれくらい早いかと説明するのは難しいが、
まぁ早食いチャンピオンには遠く及ばないが
数人で食事に行くとたいてい一番早く食べ終わっている、
というくらいの早さである。
子供のころからよく親にも注意されていた。
いい加減いい大人になった今も、褒められたことではないなぁと
自覚しつつも、なかなかこの癖が治らない。
何故治らないのだろうかと想いをめぐらせた結果、
どうやら自分の味覚と密接に関わっていることが分かった。
私の場合、味覚の中で「温度」のプライオリティが非常に高いのだ。
熱いものはとにかく出来立ての熱々のうちに食べたい。
スープなど、ヤケドも厭わない勢いですすってしまう。
自分で料理するときは、皿をあらかじめ温めておくのを忘れない。
皿に熱を奪われて料理の温度が下がるのがイヤなのだ。
少し冷めただけで、味が数段落ちてしまうような気がするのである。
同じように、冷たいものは冷たいうちに。
カキ氷など、とけないうちにとすごい勢いでかきこむので
毎回必ず途中で頭痛に襲われることになってしまう。
そこまでしてでも、自分にとって最適な温度であるうちに食べたい、
という欲求が強いわけなのだ。
で、ここまで考えた時に
自分が何故焼肉をここまで愛しているのかが分かった気がした。
そう。焼肉は、肉を常に「熱々」の温度で口に運べる食べ方なのだ。
例えばステーキではこうはいかない。
どうしたって食べているうちに肉の温度は下がってしまうから
冷める前にと、あせって早食いしてしまうことになる。
熱い鉄板にステーキを乗せて出す店もあるが、これだと
冷めはしないが肉の調理が進行していってしまうことになる。
つまり、これはこれで急いで食べないと
やはりベストタイミングを逃すことになってしまうわけである。
その点焼肉は、最初の1枚から最後の1枚まで
火加減・温度ともにベストの状態で食べられるのだ。
ある意味、これほど贅沢な料理はないのである。
私は今日も焼く。
口の中をちょっぴりヤケドしながら。
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