住宅地にある何気ない焼肉店のショーケースに横たわる霜降神戸牛
けいしゅう(兵庫・神戸)
兵庫県神戸市長田区本庄町3-6-10TEL:078-735-1129
17:00-23:00(日17:00-22:00)/第2・4木休
予算:4000~6000円
予約可
JR鷹取駅は、改札を出ると目の前に住宅街が広がっている小さな駅だ。その駅を降りて徒歩1-2分に位置する「けいしゅう」はどことなくのどかな雰囲気を漂わせている焼肉屋である。大きな赤い看板は目立つものの、店の造り自体は外から見ると普通の住宅と大差ない。訪れるほうもついついリラックスした気分になってしまう。
しかし店内に入ると一転、この店の肉に対するただならぬ気合いを感じる事になる。正面奥のL字型のカウンター上に備え付けられた冷蔵ショーケースが発信源だ。この手の設備は最近よく見るようになったものの、こういった個人経営(と思われる)店ではあまり置いていないのが一般的。ましてや住宅街の小さな店となるとかなり珍しいのではないだろうか。
肉は「神戸肉」を使用との事。価格も正肉は殆どが1000円以上と、これまた立地から考えるとやや高めの設定だ。それもまたある種のポリシーと潔さを感じさせ、むしろ心地よくすらある。
一押しの肉は上ロースのうす切り。スライサーで極薄にカットされた超霜降りのロースを、さっと炙って食べる。訪店時にはおかみさん自ら焼き方を実演してくれた。網に1枚載せ(サイズ的に1枚しか乗らないのだ)、さっと片面焼きをしたのち、くるくるっと丸めて渡してくれる。口に放り込むと上質な脂の香ばしい甘みがふわっと広がり、かつ薄切りゆえにしつこすぎない。しかも大判だから食べ応えも担保されているのだ。多少値は張ってしまうが、この店に来たなら食べておきたいところである。
その他の肉も総じて質は高い。また上塩タンの盛り付けなど、ビジュアル的な楽しみがある皿もあってまた良い。地元的な雰囲気の中にも高級感を感じさせる演出、そしてこだわりの上質肉。たまの家族の贅沢に…というような使い方にはもってこいの店である。
のどかさを感じる外観
超大判の特上ロースうす切り
上塩タンは芸術性の高い盛り付け
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・特上ロースうす切り