明けて、大阪遠征最終日の朝。
事前の計画では、この日も2店を回る予定だったのだが
もろもろの都合上、昼過ぎには大阪を発たねばならず、
連チャンは実質的にNG、という状況になっていた。
つまり、次の店がこの遠征で訪れる最後の店である。
となれば、行くべき店は自ずとここに決まる。
下見の際にかなりの衝撃を与えてくれた
庶民派焼肉の最高峰、「多平」である。
この旅で何となくつかみかけた”大阪焼肉”の素晴らしさ。
気取らない雰囲気、人々の生活に溶け込んだ佇まい。
そして、妥協のない肉へのこだわりを持ったマスター。
「多平」は、その全ての要素を持っているように思えたのだ。
我々6人を乗せた肉ワゴンは、最後の目的地にたどり着いた。
我々は食べた。
生タンを。ハラミを。そしてロースとカルビとテッチャンとツラミを。
それはまさしく、大阪遠征の集大成と言える味だった。
我々は、それがまるで1年ぶりの焼肉であるかのように、
黙々と、ガツガツと、ひたすら無言で食べ続けたのだった。
<この店のQUEST速報>