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東北の肉はやさしい(南東北遠征雑感)

肉コラム東北遠征2009

今夏の南東北遠征実施から、はや一ヶ月半。
気付けば夏も終わりに近づいているが、
まだ遠征の詳細レポートすら書けていない。
子供の頃は、夏休みが空けてから宿題をやるタイプだったが
いい大人になった今も、悪習は全く改善されていないらしい。
反省を込めつつ、遠征の雑感などから書き始めたいと思う。
 
 
**********
 
 
今回の遠征では、出来るだけ各県産の牛を食べようと心がけた。
食べたのは宮城県の「仙台牛」、山形県の「山形牛」「米沢牛」、
そして福島県の「福島牛」などなど…
もちろんどれも美味しかったのだが、味以上に驚かされたのは、
遠征中、誰も胃の調子が悪くならなかった事だ。
実は、2005年から欠かさず続けているこの焼肉遠征だが、
いつもは誰かしらの胃腸が不具合を訴えるのが通例なのだ。
10年間に渡って、非常識な量の肉を食べ続けている我々は
一般の方から見れば「肉アスリート」と言える状態であり
胃袋は「スポーツ心臓」ならぬ「焼肉胃袋」に進化している。
とはいえ、我々も所詮は人間だ、ということなのである。
 
 
話がやや横道にそれた。
という訳で、毎年誰かが胃腸薬のお世話になるのだが、
今回の遠征に限っては、そんな場面が一度もなかったのだ。
もちろん、たまたま皆の体調が良かっただけかもしれない。
しかし実感レベルでも、「南東北の肉は脂がきつくない」
「食後感がさっぱりしている」という印象があったのも事実だ。
mtouhoku-1.jpg
科学的な根拠がつきとめられるかは分からないが
案外、肉の生産、流通における環境などの要素もあるのかも。
個人的には、彼の地に流れるおだやかな空気が
肉の味までもやさしく仕上げてくれているような気がする。
そういえば、やわらかな雰囲気のマスター達が多かった。


5 comments on “東北の肉はやさしい(南東北遠征雑感)
  1. gypsy より:

    >格之進papaさん
     プロの方におほめいただき恐縮です。それにしてもさすがの分析ですね。小ぶりな牛の方が味が繊細だとは聞きますが、細胞数とその体積、というところまでは考えた事がありませんでした。我々はどちらかというと実践派なので、ひたすら食べ歩いた経験則しかないのですが、このような味覚に科学的アプローチが出来ると面白いですよね。

  2. 格之進papa より:

    恐れ入ります。見事な感想ですね。
    私は黒毛和牛を1000頭肥育し一部一貫生産しており、牛肉の卸売・小売・加工品製造販売・焼肉店の運営をしているんですが、私も全国の牛肉を食べていて同じ感覚ですね。
    これは、個人的な推測ですが、地方というより牧場経営の方針の違いではないかと思います。
    牧場経営の利益の出し方が、増体型の大型の血統にして更に脂肪交雑の強い種牛を掛け合わせた去勢の牛を早期肥育で運営するのか、真逆に但馬系の小型の雌牛を長期肥育で旨味を最大限に引き出し、肉の味で評価を頂ける様に生産計画を立てているのか。
    前者のほうの牛は、全般的に肉量が多いために100g当りの細胞の数が少ないためたくさん食べないと満足感が得られにくい上に、細胞の体積が大きいため脂の粒子も粗く旨味も低く融点が高めに仕上がる傾向にあると体感しております。そのため、こちらの様な牛肉を食べると胃もたれしやすい傾向にあるのではないかと推測します。
    後者の方の牛は、「神戸牛」「特産松阪牛」「米沢牛」「近江牛」等等、但馬系統を基調とした雌牛中心の牛肉は、枝重も320~420kgと小柄で融点も低く、100g当りの細胞の数が多いために少量で満足感が得られまた粒子が細かいために旨味成分の数も多く脂の吸収がいいために胃もたれが起きにくいのではないかと推測します。
    上記の件は、全国の牛肉を食べ比べて感じた個人的な感想であり、何かの文献によった物ではありませんので・・・。
    ただ、言える事は、メンバーの皆さんが好かれているようなお店は、そのような牛肉の選定を明確にしているところが多いように感じます。
    前者の肉が悪くて、後者の肉がいいということはないと思います。
    それぞれの牛肉には優れているところと弱いところがあり、美味しい焼肉屋さんは自分の味付けとマッチする牛肉をちゃんと見極めているように感じます。
    胃もたれの件は、地方というより地域って言ったほうが正確かも知れませんね。

  3. fei より:

    あくまで勝手な推測ですが・・・
    寒い環境下では、脂肪を効率よく燃やし熱に変えていかなければならないですよね?生きていく為に。なので脂肪燃焼効率の良い脂になりやすいのでは?なんて思ってしまいます。
    逆に熱いところでは、熱をさえぎる為の脂・・・なのかもしれませんね
    話はまったく変わりますが、ワインに使われるブドウなんかの農作物も同じ関係にあるかもしれません。
    ワイン用のブドウなんかは寒暖の差があるところじゃないと、酸味がでず複雑な味わいにはなりません。脂身も・・・・・考えすぎでしょうかね

  4. gypsy より:

    >feiさん
     おお、そんな事があったのですね。何とも言えないですが、寒い地で育つとよい脂を体内に生成する…のかもしれないですね。肉の旨さに科学的なアプローチができれば分かるのかもしれませんね。

  5. fei より:

    この記事を読んで、私も思い当たることがあります。
    私は北海道に住んでいて、知り合いに黒豚農家がいるのです。とてもおいしくよく購入させてもらっているんですが、東京在住の調理人に送ってあげたことがありました。
    感想を聞くとこういってました。
    「鹿児島の黒豚肉に比べると、脂身があっさりしている。うまみはあるんだけど、食べた後のスッキリ感が高い。」
    まさにこの記事の感想と同じなのではないでしょうか?
    寒暖の多い土地で育つと、脂身の切れ味もよくなる???のでしょうか。
    面白いものですね。

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