住宅街を探して訪れたい、山形屈指の名店
たけ仙(山形・山形市)
山形県山形市富の中2-8-10TEL:023-645-3952
17:00-22:00(入店20:00まで)/火休
予算:4000〜6000円
予約可
名店は意外なところに隠れているものである。しかしながら、この店のような隠れ方も珍しい。何しろ一見すると本当に普通の家なのだ。古民家を店にしているタイプなどはときどきあるがそういうのでもない。駐車スペースにある看板がかろうじて店である事を主張しているが、その看板が見えない角度からアプローチすると、もう周りの住宅と全く区別がつかないのだ。場所も山形市の中心地から少し離れた住宅地なので、はじめて訪れる時は見つけるのはかなり大変だろう。
店内も住居をそのまま使っているような感じだ。畳の部屋で、テーブル4つほどの広さ。焼肉屋に来ている事を忘れるほど、”おウチ”な空気である。しかし、炭火と肉が運ばれてくると、とたんに”最高の焼肉店”へと変貌する。
山形牛を使用しているという正肉は、鮮度と質の良さがひと目で分かるほどだ。高級店のように形よく切りそろえられてはいないが、味は上品そのもの。脂の質が良く胃に重くない。和牛サガリや和牛カルビなど、見た目は脂が多くても実にさっぱりとしていている。それでいて肉のうまさやジューシーさはしっかりとある。例えていえば、派手さはないが育ちの良さを随所に感じさせる良家の出、といった風情の肉だ。
タン塩以外は塩で頼むと基本プレーンな状態で供されるので、客自身が卓上の塩胡椒やタレ、醤油で味付けすることになる。タレで頼んだ場合ももみダレの量はごくわずか。こんなところからも、肉そのものの味を味わって欲しいというメッセージが感じられる。お店を切り盛りするご夫婦は少し控えめな感じの方だが、その裏にある肉への愛とこだわりは揺るぎないものだろう。
価格も1000円台前半までが殆どと、東京感覚から見れば驚異的にリーズナブル。また、数日前から予約すればメニューにない料理ものなども可能だという。東京に住む身としては叶わぬ夢であるが、こういう店に通えるならば本当に幸せだと思う。
この看板を見つけよう
和牛上タンと和牛サガリ
特選牛ロースのタレ
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・店はかなり見つけにくい。駐車場もあるので、旅行者ならばカーナビ付きのクルマで行くのがベストだろう。
・普通のお家を改装し、ご夫婦で切り盛りする小規模なお店なので、客としても思いやりと気配りを持って訪れたい。