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この情報は2014年11月29日まで「YAKINIQUEST.com」で掲載していたものです。
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楓庵 (かえであん)

リスペクト2

山中の一軒家でゆったりと肉を焼く幸せ

楓庵(山形・山形市)

楓庵メイン画像

山形県山形市大字八森29

TEL:023-625-1129
17:00-22:00(土日11:00-14:00*予約必・17:00-22:00)/無休
予算:4000〜6000円
完全予約制

焼肉屋において、意表をつくロケーションや店構えが大きな感動をもたらしてくれることがしばしばある。そんな代表例といえるのがこちらの一軒だ。場所は山形。市街から蔵王方面にクルマを走らせること約10分。有料道路の途中を右折し、民家と畑しかない私有地エリアに入ってさらに奥へ奥へと進んだところに店はある。店の看板に違和感を感じるほど、どう見てもただの民家な外観だ。

店内がまたいい。窓際に2人掛けのテーブル席が2つほど。小上がりには4-6人が座れるテーブルが8つ。厨房に近い1席のみ浅い掘りごたつになっている。網戸から入る風が心地良く、窓の外には緑が広がる。

切り盛りするのは笑顔が素敵な老夫婦。ご主人は長い白髭の奥に静かな笑みを浮かべる。「肉仙人」というものがいるならば、きっとこのご主人のような風貌にちがいない。ただし仙人は優しいだけではない。メニューには「煙が出たり、炎が上がるようでは最悪です」の文字。時には焼き指導も入る。しかし嫌味がなく、あくまで暖かな、人間愛と肉愛あふれる指導なのだ。

各テーブルの中央には穴があけられ、大きな植木鉢とおぼしきものが埋め込まれている。ここに七輪を乗せ、これまた手作りっぽいスペーサーをかぶせて炭との距離をとって網を乗せるスタイル。これは肉を焦がさないように、炎が上がりにくいようにという配慮だろう。遠火で肉をやさしく調理するようになっている。これなら素人でも炭火を扱いやすい。

肉は山形牛だけでなく、他県産(このときは宮城)や外国産も使用しているらしいが、共通しているのは脂身がそれほどキツくないこと。オススメされた塩カルビも見た目よりあっさりしていて、片面焼きでもするすると食べられる。厚めに切られた大判のAタン(タンもと)やサガリも良かったが、日によって状態が違うと思われるので、ご主人か奥様にお勧めを尋ねるところから楽しみたい。

それにしても、お二人ともに結構な年齢と見受けられるが、年中無休、昼も1件でも予約が入れば営業するという姿勢には頭が下がる。完全予約制をうたっているが、準備があるから昼は前日までに予約をして欲しい、夜は来る前に一本電話してね、というくらいの感覚だ。市内に息子さんが経営する姉妹店もあるが、やはり一度はこちらの本店を訪れて欲しい。

楓庵景色
窓の外に広がる風景

楓庵塩カルビ
あっさりめの塩カルビ

楓庵サガリ
厚切りのサガリ

<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・アプローチには車が必須。自分で運転する場合にはカーナビがあればベストだが、なければ途中で出てくる看板さえ見逃さないように注意すればたどり着けるはず。
・夜もいいが、窓から景色を楽しめるランチタイムの訪問を是非お勧めしたい。