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3,下見その〔2〕「多平」

大阪遠征2005

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なんば駅で下車し、目的の店へと向かう。
店の名は「多平」。信頼できる筋からの情報だ。
見つけた。
裏通りの風景に完全に同化した、飾り気の全くない店構え。
空いたままの扉から中をのぞくと、まだ昼前なのに数組の客がいる。
「当たり」の予感がビンビンとしてくる店だ。
迷わず入店。席につき、壁に貼られたメニューをチェック。
最初に目に飛び込んできたのは「上タン塩」の文字。
まさか。このご時世でまともなタンがあるはずはないだろう。
ダメもとで聞いてみると、何とタンを出せるという。
さっそくオーダーした。
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運ばれてきたタンを見た瞬間、全身に衝撃が走った。
生タンだ。つまり、生のタンだ。そう、タンがナマなのだ。
はやる気持ちを抑え、ガスコンロで丁寧に焼く。
口に入れると立ち上るあの香ばしさ。
前歯でかぶりつくとサクサクと音を立てる。
間違いない。黒毛和牛の生タンである。
ここ数ヶ月東京では味わえなかった*懐かしい感覚に
はるか大阪の地で、あっさりと再会してしまったのだ。
*当時、BSE騒動の余波によるタン不足で、多くの焼肉屋のメニューからタンが消えていた。
あらためて値段を確認した。見間違いではない。800円とある。
米国産牛が入ってこないせいでタンが壊滅的に品不足かつ
高騰しまくっているこの2005年5月に、黒毛和牛のタンが800円だって?
一体どうなってるんだ、大阪ってヤツは。
…底知れぬ大阪の実力に身震いしながら、タンを追加注文した。
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