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脂付き小腸の美学

肉コラム

ここ数年のホルモンブームも手伝ってか、近年、
脂たっぷり付きの小腸を出す店がずいぶん増えたように思う。
しかし、先日ひさびさに訪れた「やまがた屋」の小腸には
その芸術性において一歩抜きん出ていることを再確認させられた。
最初、小腸はかなり長い状態で切り出される。
ちょうど網の端から端まで行き渡るほどの長さだ。
脂はそれほど多く乗っていない…ように見える。
しかし焼き始めると、どんどん縮まっていく小腸。
やがて当初の半分強ほどの長さになったそれの上には
いつの間にか、こんもりと脂が乗っているではないか。
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そう、つまり、皮の部分が縮むことを計算した上で、
「縮んだときにジャストの量になる脂」を残しているのだ。
ジャストだから、脂のしずくが炭に落ちる事も無い。
だから炎が上がらない。だから、肉が焦げにくい。
仕上がりから逆算しての肉の切り出し。そして焼き加減。
まさにニクらしいほど計算ずくなのである。
大阪一の繁華街、北新地に移転したやまがた屋は、
客単価1.5万円ほどと、かなりの値上がりをした。
今まで以上に、万人にお勧め出来ない店となったが、
ホルモンを、そして肉を焼く、ということを追求している方ならば
やはり一度は行っておくべき店だ、と思う。


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