激辛のホルモンはまさしく焼肉界のオンリーワン
玄風館(福岡・博多)
福岡県福岡市博多区千代3-48-9TEL:092-651-7817
10:30-22:30/水休
予算:2500〜4000円
予約可
博多に名焼肉店は数あれど、これほどのインパクトとオリジナリティがある店はそうはない。いや、全国でも希有だといえるだろう。ここ「玄風館」の激辛焼肉は、一度食べたら決して忘れる事の出来ない破壊力と、時々ふと思い出しては無性に食べたくなる中毒性を兼ね備えている。
辛いタレで食べる肉はロース、カルビ、ミノ、ホルモンの4種類。実際には「ホルモン」はギアラやシマチョウ、小腸などのミックスになっているのだが、基本はこれらを盛り合わせでいただくのがこちらのスタイル。メニューはなく、口頭での説明を聞いて種類と量、そして味付けを選ぶ。味付けは「甘口・控えめ・標準・死に辛」の4段階。辛いもの好きを自負する方でもまずは「標準」を、少し苦手だと思う人ならば「控えめ」あたりをオーダーするのが無難だ。何故なら「死に辛」は本当に中途半端でない辛さだから。
その「標準」でも、目の前に運ばれてきた時のインパクトは絶大。そこにあるのは他の焼肉店ではおよそ目にした事がない「赤い何か」としかいいようがないものだ。口にするとかなりの辛さはあるものの次第に広がる甘みのおかげで、見た目よりは抵抗なく食べられるはず。2切れ3切れと食べ進むうちにどんどん病み付きになっていくはずだ。とにかくどこまでも濃い味付けのため、ベースとなる肉の味は殆ど意味をなさない。こちらのライスは麦飯なのだが、この異常なまでに力強い味を受け止めるにはむしろ白飯よりも適しているだろう。
ちなみに「死に辛」は「標準」から甘みを抜いたような味、とでもいおうか。色も更にらんらんと赤く、口中を痛いほどの刺激が襲う。もちろん美味いのだが、辛いものが苦手な方はくれぐれも注意されたい。また、テールスープまでもがピリ辛なのだが、こちらに肉のもみダレを大量に投入するとユッケジャンスープのように甘辛の奥行きある味になるので試してみて欲しい。
味だけでなく、店の雰囲気もどこまでも独自路線。立地は中心地から離れており、タクシーでないと行きづらい。いかにも古めかしい店構えは店内に入っても期待を全く裏切らない、というか期待を上回るレベルのオンボロっぷり。もちろん煙はモクモクだし、テーブルやロースターもかなり年季が入っている。また、焼いていると時々お店のおばちゃんによる問答無用の網ひっくり返し&交換が入るので、ここでは「一人一焼き」の考えは通用しない。しかしながらここまで独自な世界観を持つ店においては郷に従うのがスジというものだ。とにかく全てがオンリーワン、ルール無用でパンクな焼肉なのである。
昭和の雰囲気あふれる店構え
辛いだけではない、奥行きがある味
「死に辛」は常軌を逸した赤さ
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・まずは「標準」の辛さで。
・テールスープはもみダレ投入で格段に味が良くなる。
・「玄風館」の名を冠した店は博多を中心にいくつかあるが、経営母体も違い、味も若干異なるようである。この記事は「千代店」についてのもの。
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