母体は地元の精肉店。焼肉屋ひしめく養老・焼肉街道の雄
藤太(岐阜・養老)
岐阜県養老郡養老町上方1338-1TEL:0584-33-2055
17:00-21:45(土日祝11:30-13:45・16:00-22:00)/月休(祝の場合は翌日休)
予算:3000〜5000円
予約不可(12名以上のみ予約可)
岐阜県は養老に「焼肉街道」と呼ばれる一角があることは、近隣の住民かよほどの焼肉好きでない限りは知らないかもしれない。大阪の鶴橋のような焼肉店密集地帯を想像しているとやや拍子抜けになるかもしれないが、それでもこちらのような優良店に出会うことができる。
大きな看板に大きな駐車場を備えた、よくある街道沿いのファミリー向けレストランのような外観からはさほどの期待を抱かせないが、その予想はいい意味で裏切られる。母体は地元の精肉店。飛騨牛をはじめとした高クオリティの和牛を非常にリーズナブルに提供しているのだ。例えば飛び牛(肉質が飛び抜けてよい牛のこと)のヒレで2500円。飛騨牛イチボで1000円。飛騨牛ミスジで1300円*。いずれも100gでの料金だ。
*価格は’12年当時
その飛騨牛だが肉質はさすがの一言。テーブルに運ばれてくるや否や常温でしっとりと汗をかき始めるのは上質な融点の低い脂であることの証。きっちりと入ったサシのわりにはさっぱりとした口当たり。赤身の香りとコクがしっかりと伝わってくる。飛び牛は基本味付けなし、飛騨牛は塩胡椒で供される。添えられる岩塩で好みの味に仕上げるべし。
さらにホルモン系、つまり内臓にも飛騨牛指定のメニューがある。銘柄指定でホルモンがいただけるのは地方で食べる焼肉の醍醐味のひとつといえるだろう。鮮度の高さを感じさせるぷりっとした歯応えのテッチャンやギアラは脂の甘みも申し分なし。たっぷりの肉汁をたたえたハラミ。ゼラチン質の食感がたまらないツラミ。いずれも文句なしだ。
また、低価格メニューが揃えてあるのもファミリー層には魅力だろう。前述の高級牛ライン以外では、正肉で5-600円から、ホルモンで300円程度からという価格設定。ハレからケまでの焼肉ニーズを広くカバーしているという訳だ。
だがあなたがもしもわざわざ美味しい焼肉を食べるために遠路はるばる訪れたのならば迷わず飛騨牛/飛び牛メニューにいって欲しい。最高の素材を塩胡椒のシンプルな味付けで楽しむのがこちらではベストだろう。団体以外は予約が取れないのが難だが、大箱なので行列が出来ていてもそれほど待たずとも入れるはず。焼肉ファンならば足を伸ばす価値はじゅうぶんにある。
お店外観
とび牛のハネシタ(手前)とヒレ(奥)
ぷりぷりの飛騨牛テッチャン
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・予約は12名から。並ぶ覚悟で行こう。
・飛騨牛・とび牛メニューがおすすめ