多種多様なホルモンが“一カン”から食べられる
焼肉萬野ホルモン舗 三休橋(大阪・心斎橋)
大阪府大阪市中央区南船場3-3-1 BRAVI三休橋 1FTEL:03-3805-4129
17:00-22:30/水休
予算:3000-5000円
予約可
大阪で複数店舗を展開している萬野グループの最新店は「一釻(カン)売り」が特徴のユニークな焼肉店だ。ひとりや少人数でも少しずつ、色々な種類を食べてみたい。焼肉好きならば誰もが一度は思うであろう我がままを、寿司屋よろしく「一枚」からオーダー出来るという方法でかなえてくれるのである。
一カンオーダーが出来るのはカウンター席のみ。壁に掲げられた部位名の木札を見つつ、「今日はいいの入ってる?」なんてやりとりをしながらオーダーしたい。一枚といっても20gだそうだから、一般的な焼肉屋の一枚よりはかなり大きい。ハサミで切れば一枚を二人でわけても十分楽しめる量だ。
こちらのお店で普通の一人前を頼むと80gだそうなので、つまり一カンはその1/4ということになる。嬉しいのは価格もほぼ1/4だということ。一番安い部位で120円*からというお手軽さなのだ。手間ひまを考えたらもう少し高めの設定にしてもよいかと思うが、そうしないのは徹底したサービス精神か、あるいは価格に厳しい大阪ならではか。
*価格は2012年訪問時
ひとつひとつの部位の違いをじっくり味わって欲しいという考え方は味付けにも表れている。食べ方は素焼き(そのまま)、塩焼き、たれ焼きの3種類。素材そのものの味をじっくりテイスティングしたい人は素焼きにだし醤油、あるいは薬味の刻み山葵か黒七味を使って。肉の甘みを引き立てる塩焼きはレモンか岩塩をつけて。ご飯をがつっといきたければたれ焼きがベストだ。ニンニクとヤンニンジャンを混ぜればさらにご飯が進むだろう。
40種類ほどにおよぶ部位が分からない人には、もちろん店員さんがその特徴から最適な焼き加減までを親切にレクチャーしてくれる。ホルモンビギナーの学びの場としても、ベテランが新たな発見をする場としても満足出来るはずだ。
余談だが、こうしたコンセプチュアルで実験的なお店を実現出来るのは複数店舗を経営する企業ならではの大きな強みではないだろうか。個人店以上に独創的なお店が増えてくれればと焼肉好きとしては願うところだ。
一カンはハサミで2つに切って丁度よいくらいのサイズ
ホルモンメインだが正肉もある
壁にずらりとかかげられた部位名の木札
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・一カンオーダーが出来るのはカウンター席のみ
・ランチ時はランチメニューのみ。一カンから食べられるのは夜だけなので注意