常連のみが味わえる美味と抱腹絶倒の「絶倫コース」
名門(東京・四谷三丁目)
東京都新宿区舟町11 松川ビル1FTEL:03-3357-7748
17:00-28:00(土17:00-26:00、日17:00-25:00)/月休(祝日の場合は翌日休)
予算:12000〜15000円(絶倫コース時)
予約可
都内を、いや日本中を探しても、この店ほど強烈な個性を持った焼肉店は無いかもしれない。
一般の客としてここを訪れた人は、おそらく「まぁ普通に美味しい焼肉店」くらいの印象しか持たないだろう。私も最初の訪店時はそう思った。何だ、評判ほどではないな、と。しかし、この店の真の姿はそんなところにはなかったのだ。
「名門」の真髄は、常連もしくは常連に紹介を受けた者のみがオーダー可能だという「絶倫コース」に集約されている。これがもう、焼肉の常識をはるかに超えているのだ。というか、普通の焼肉とは全く別のモノと思った方がいいだろう。
この「絶倫コース」では、オーダー内容は全て店に一任となる。それだけではない。焼きも全て店長自らの手に委ねられる。だが、そこまでなら他でも体験できるサービスかもしれない。驚くべきは、その際店長が繰り出すパフォーマンスの数々なのだ。
「絶倫コース」はまず店長の挨拶から始まる。その後、一品一品について蘊蓄を早口でまくし立て、かつギャグを織り交ぜつつ軽妙な手つきで肉を焼き上げていく。焼きのテクニックはもちろんプロだが、しゃべりも今すぐ芸能界で通用しそうな程の高レベルである。その勢いとパワーに最初は圧倒されるかもしれないが、徐々に店長ワールドの虜になっていくだろう。ちなみに肉の味ももちろん一級品。刺身数皿に始まって正肉系・ホルモン系を織り交ぜ、料理と合わせると何と合計20品目前後が約3時間に渡って提供される。出される順番も考え尽くされているし、味わいもさることながら見た目のインパクトまでも計算された演出が目の前で次々と展開される。これはもはや「焼肉」を題材にした一級のエンターテイメントだとすら言える。
もちろん、「これは果たして焼肉なのだろうか?」という根本的な疑問は残る。そもそも「肉を自分で焼けない」という時点で、自分で焼くことを至上の喜びとしている我々YAKINIQUESTとしてはかなり切ない。又、出てくる肉の質は文句なく一流だが、値段を考えると感動は薄いという声もあるだろう。それに何より、常連と一般客の扱いが全く違うという姿勢は(多少は仕方ない事とはいえ)あまり褒められたものではない。正直我々としてもこの店をどう捉えるべきか迷った。しかしそれでもこうして紹介するのは、ここのオリジナリティがそれだけ強烈で確固たるものだからだ。この店でしか体験できない、唯一無二の感動が確かにある、と考えたからなのである。
これを読んだあなたが、もしこの店にどうしても行きたいと思ったら、まずは自分のまわりに常連がいないか探すことから始めて欲しい。逆に、つてが見つからなかった人、或いはこういう店が嫌いな方は、決して近づこうと思わない方がいいだろう。それくらいはっきりとした個性を持った店だと思う。
ピンク色に輝くタン刺し
豪快に焼かれるサガリ
細かい仕事が入ったミノ
店長の強烈なパフォーマンス
ジューシーなハラミ
正肉も一級品
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・この店を訪れるならば、何とかして「絶倫コース」を頼もう。そうでないとここに行く意味はない、とまで言い切れる。
・値段はパフォーマンス代込みだと考えよう。それなら決して高くない。
・最適なシチュエーションは接待や打ち上げだろう。お店の人がこれだけ盛り上げてくれるのだから。
焼肉名門 [四谷三丁目・曙橋]
昨晩は友人らと連れだって、四谷三丁目の「焼肉名門」へ あんなに感動的な焼肉体験…