日本に帰ったら、最初にどこの焼肉を食うべきか。
帰国便の機内でまず頭に浮かんだのはその事だった。
旅先では毎日ラムやら豚やら牛やらの肉を食べていたのに
それでも真っ先に食べたくなるのはやはり焼肉なのである。
まぁ当たり前か。ただの「焼いた肉」と「焼肉」は全く別なのだから。
たった一週間日本を離れただけなのに、焼肉が恋しくてたまらない。
これはもはや、渇望といっていいほどの感覚だった。
こんな時に行くべき店は”焼肉終着駅”を置いて他にはない。
久しぶりに訪れた「金龍苑」のメニューからは「タン塩」が消えていた。
供給不足から来るタンの価格高騰はついにここにまで及んだのだ。
愕然としつつも、双龍のもう一方である塩ハラミをオーダー。
運ばれてきた肉のあまりの美しさに、一瞬時が止まった。
はやる気持ちをなだめつつ、じっくり焼く。口に運ぶ。
程よい噛み応え。ほとばしる肉汁。歯茎に絡む肉繊維。
…ああ、日本って最高だ。
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