行列の秘密は格安の希少部位

牛蔵（東京・富士見台）

TEL：03-3970-2257
17:00-23:30（土日祝16:30-23:30）/無休
予算：3000〜4000円
予約可（週末は5名以上から）

今や東京でも指折りの人気店となったこの「牛蔵」。富士見台というローカルな立地ながら毎晩のように入店待ちの客で行列が出来るその理由は、なんと言っても希少部位を格安で提供していることだろう。いま東京の焼肉界で起こっている”希少部位の価格破壊”とでもいうべき現象の火付け役となったのは、間違いなくこの店がきっかけとなっている。

その価格とは、黒毛和牛のみすじやサーロイン、ざぶとんなどの部位が軒並み1000円を切るというもの。肩三角やランプは780円と、ちょっと常軌を逸しているほど安い（どちらも07年度時点）。並モノに至っては500円台が主流。繁華街ではないとはいえ、東京でこれだけの安さなのはにわかに信じがたい。いや、関西でもここまでの低価格店はあまりない。

ではサイドメニューやドリンクで儲けを出しているのでは？という考えも邪推に過ぎない。なんとサワーは280円、ソフトドリンクは100円である（どちらも07年度時点）。その他サイドメニューも格安。とにかく、値段に関しては何も言うことがない。

肉の味に関しては、じゅうぶんに満足できるというレベル。敢えて厳しいことを言えば、感動的なまでの一品、後々まで印象に残る一切れ･･･というものはないし、もう少し肉自体の旨みを引き出してくれたら･･･と思える部分もあるが、この圧倒的なまでのコストパフォーマンスに対してそんな言葉は野暮でしかない。そう、この店では希少部位との付き合い方自体を変えるべきなのだ。他の店ではせいぜい最後に一品か二品頼み、ありがたく味わっていた希少部位を、あたかも激安チェーンで並カルビを食べるかのごとく大量にオーダーし、ひたすら食らうのだ。値段を気にして一般的な部位を食べる必要はない。「高いものから順番に」とやっても、財布を気にする必要はまったくないのだから。

また、これだけの繁盛店なのに店員におごりのようなものが見られず、元気で丁寧な対応をしてくれるのも嬉しい。個人的にはむしろこのことの方が驚きであり、嬉しかった。これだけの価格を維持していくのは並大抵の努力ではないと思うが、このまま頑張っていって欲しい店である。

店は駅からすぐのビルの2F

希少部位を惜しげもなくオーダー

驚愕のコスト（大の男12名で飲んで食べて43,554円）

＜YAKINIQUESTよりヒトコト＞
・とにかく希少部位を食べまくりたいときにオススメ
・週末の予約は5名以上からとのこと。詳しくはお店に確認を