地元で40年以上愛され続ける「シロコロ」の老舗
酔笑苑(神奈川・厚木)
TEL:046-221-6245
16:00-22:40(土15:30-22:40、日祝15:30-22:00)/第一、第三月休
予算:2500〜5000円
予約可(3名から)
2008年の「B-1グランプリ」優勝で一躍全国区になった「シロコロ」。豚の大腸を筒状に切って外と中をひっくり返し、脂を内側に閉じ込めたこのホルモンの発祥の地、神奈川県厚木にひしめく数多くのホルモン焼き店の中で地元の一番人気を誇るのはこちらの「酔笑苑」だ。
本厚木駅から少し歩けばたどり着くその小さな店の軒先には、平日でも開店時間の16時前には既に行列が出来る。もちろん遅い時間に訪れてもいいのだが、この店の雰囲気を最大限味わいたいならば開店前の行列に加わることをお勧めしたい。
店内1Fはキッチンを囲むようにL字カウンターが配されている。2Fは無煙のロースターが設置されているようだが、趣きを重視したければ煙モクモクの1Fを選びたい。壁に掲げられたメニューの多さに最初はとまどうかもしれないが、カウンター席ならばオーダーすればすぐに皿が出てくるので、2,3品頼んではつつきながら次のオーダーを考えるというスタイルがいいだろう。
必ず頼みたいのはもちろん「シロコロ」。短くぶつ切りにされた真白な腸に脂がたっぷりと詰まったその姿はまるでバター飴のよう。最初は少しでろりとしているが、火が通るにつれてぷっくりと丸くふくれてくる。焼きムラが出来ないよう箸で網上をコロコロと転がし、中から脂がしたたってきたくらいが焼き上がりだ。「シロ」というメニューもあるが、これは「シロコロ」の脂が少ないバージョンと思えば間違いない。尚「シロコロ」は一人一点限定となっている。
他にも豚レバを網状の脂肪で巻いた「アミレバ」や、テッポウ、ホーデンなど珍しいホルモンがずらりと並ぶ。ホルモンに詳しくなくても、店員さんに尋ねながらオーダーすれば大丈夫だろう。時には隣に座った常連客が美味しいメニューや焼き方を教えてくれることもあるかもしれない。夕暮れ前の時間からともに行列に並ぶという背徳感を共有した、見ず知らずの同士と肩を並べつつ、網の上のシロコロを転がす。笑顔で炭火を囲み、酒を飲む。そんな焼肉の原風景の中に入り込めるような体験が出来る店なのだ。
ところで、こちらのお店の入り口にはこんな貼り紙が貼ってある。
「 酔笑苑の「シロコロ」は、最近各メディアで話題になっている『厚木シロコロ・ホルモン』とは異なります」
わざわざこう断るというのは、ブームに乗った商品や店とは一線を画するという気概だろうか。はたまた昔から地元で愛されてきた食品を街おこしのネタにすることへの反論か。ともあれ食べ手としては、余計な勘ぐりはせずに目の前のシロコロを素直に味わえば良いのだろう、と思う。
真白い「シロコロ」
少し脂が少なめの「シロ」
アミレバ
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・カルビやロースなどホルモン以外のメニューも充実している。だがコスト面も含め、やはりお勧めはホルモン系だ