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この情報は2014年11月29日まで「YAKINIQUEST.com」で掲載していたものです。
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【閉店】とさや

リスペクト3

歴史の重みに時空もゆがむ“焼肉発祥の店”

とさや(大阪・生野)

とさやメイン画像

大阪府大阪市生野区桃谷5-12-16

TEL:06-6741-9247
14:30-22:00/無休
予算:3000〜4000円
予約可

*閉店したという情報あり。残念(2007年頃?)
「ディープな店」と形容される焼肉屋は数あれど、ここ「とさや」のディープさは頭ひとつ抜けているという感じだ。場所は有名な”焼肉の町”大阪・鶴橋から少し南西に外れた生野という地区にある。在日韓国人の方が多く住むいわゆるコリアンタウンなのだが、鶴橋がやや観光地的な側面を持ち合わせているのに対し、この辺りは人々の生活臭がダイレクトに感じられる地域だ。住宅と商店と町工場が共存する中、日本語とハングルが混沌と自然に溶け合った町並み・・・恐らく昭和の時代から何も変わっていないであろうその風景の中にあるのが「焼肉発祥の店」といわれる、この「とさや」なのだ。何でも戦後まもなく、牛の内臓類を賭場からもらってきて焼肉として提供したのが始まりだとか。

そんな超がつくほどの老舗だけあって、年季の入り方もタダモノではない。何十年分もの煙が染みついた壁や板張りの床、壁に貼られたメニューの変色っぷりを眺めていると時空がゆがんでタイムスリップでもしているかのような錯覚を受ける。それもそのはず、よーく見ると天井の一部などは本当に建て付けがゆがんでいたりする。キッチンと店内の間に置かれたステンレスの大きな配膳台も傾いたまま使用されている。歴史の重みに想いを馳せつつオーダーしよう。

まず頼みたいのは巨大で分厚いタン。ちょっとびっくりするくらいのサイズだ。もちろん生である。何も言わないとタレで出てくるので塩で食べたい時はハッキリと明言するべし。ちなみに塩と頼むと濃い目の塩ダレを絡めた状態で供される。ハラミやバラはタレで行くのがいいだろう。このタレの味もいい。フルーツなどを使っているのか、コクはあるが濃すぎない味。確実にご飯が進むシロモノだ。女将曰く、塩ダレ、普通のタレ共に創業当時から変わっていない味付けだそうだ。
この名物女将も「とさや」には欠かせない存在である。気取りのない、暖かくて心の通った対応をしてくれる。相当なお年だと思われるが、未だ定休日なしで営業しているのには恐れ入る。女将との気さくな会話も楽しみつつ、このディープな空間に身も心も委ねるのがここの正しい楽しみ方だ。

ちなみに肉のメニューはそれほど多くないが、面白いのが殆どどの肉も同じ値段(1000円)な事。普通の店は一人前のグラム数を一定にするものだが、ここは価格を統一し、それに合わせて量を決めている。恐らくは会計しやすいようにそうしたのだろうが、そのぶん元の値段が安い肉-例えばホルモンなど-はすごい量で出てくる。そこを計算にいれ、頼みすぎないように注意すべし。

とさや 外観
ここが焼肉発祥の地

とさや 内装
傾いた配膳台もまだ現役

とさや タン塩
巨大なタン(塩)

とさや 価格
肉は殆ど「千円均一」

とさや タレハラミ
タレハラミ(一人前!)

とさや テッチャン
テッチャン(一人前!!)

<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・塩ダレのタン・タレハラミ。しかしこの店では肉の味を追い求めるよりも、むしろ軽いタイムスリップ感に身を委ねたい。
・肉の量が多いので頼みすぎに注意。
・一皿1000円という価格設定なので、ホルモンなど肉の値段が安いモノは特に量が多くなる。