高級焼肉店の新たなスタイルを提唱する大人のための店

肉匠なか田（東京・西麻布）

TEL：03-5468-2911
18:00-23:00/日休
予算：10000〜15000円
予約可

庶民的な店から高級店まで、焼肉の多様化がうたわれて久しい。そんな中、「高級」焼肉店の新たな方向性を感じさせてくれる店がこちらの「肉匠　なか田」である。本店は大阪だそうだが、東京では大人の街、西麻布に店を構えている。

エントランスに立つと、まるで高級バーのようなしつらえに驚く。これが焼肉店の入り口だと思う人はまずいないのではないだろうか。店内はまるで重厚なステーキハウスを思わせるような内装だ。店員の服装や応対も高級レストランのよう。ビシッとした空気を漂わせつつホスピタリティーも併せ持った、まさに大人の空間を作り出している。着物の女性店員がエプロンをつけてくれたり、あるいはやたらと気取ってばかりいるような高級さではない、という訳なのだ。

重厚なインテリアに合わせるように、焼きのファシリティも魅せてくれる。卓上に小さな囲炉裏のようなスペースがあり、そこに炭を直に置く演出だ。メニューはアラカルトもあるが、売りとなっているのはプリフィクスのコース。刺身に始まり、焼物、サラダ、口直し･･･と続く。シメは釜炊きのご飯や半田そうめんなどから選べるようになっている。ここでも、焼肉の新たな可能性を探る試みがうかがえる。

そして極めつけは塩へのこだわり。なんと全部で40種類の塩を常備しており、その中からその日の肉の状態に合わせた7種をピックアップしてテーブルに出してくれる。塩と肉との組み合わせによる味の違いを楽しむ、という新機軸の提案なのである。もっとも、個人的には7種でも多すぎて全てを試すことは出来なかったが、試みとしては面白い。

肉質はどれも期待を裏切らないレベル。希少部位も一通り取り揃えており、高級店としては申し分ない。また器や盛り付けも芸術性が高く、味だけでなく見た目も楽しませてくれる。ただ、場所柄もあって価格は当然ながら高めなので、コストパフォーマンスを求める向きにはお勧めできない。店の雰囲気を楽しみたい人、あるいは接待や社用などのニーズにはもってこいだろう。あるいは「異性と行く焼肉」の新たなスタイルとしても使ってみたい店だ。ちなみにワインリストも充実している。

隠れ家バーのようなエントランス

目にも楽しい刺身五点盛り

こちらがこだわりの塩7種

＜YAKINIQUESTよりヒトコト＞
・予算が許せばコースにお勧めの肉を1～2皿加えるのがお勧め