地元に愛される、風情ありすぎのホルモン焼き店
酒童(山形・米沢)
TEL:0238-23-7037
17:00-22:00/月休
予算:2000〜4000円
予約可
「米沢牛」を前面に押し出した観光客向けとおぼしき店が多い山形県米沢市にあって、地元に愛される気の置けない大衆焼肉店がこちらだ。店は風情のある一軒家、というかもうぼろぼろといった方が当てはまりそうな木造の平屋である。内の様子も外観を裏切らない。広い座敷に大勢の客が座っている感じは、まるでお盆に田舎に帰って親戚が集まっているかのような風景だ。一点違いをあげるならば、煙か。店内の排気は家庭用の換気扇に頼るのみ。当然店中霞がかかったようにモクモクである。しかもかなりの年季なので、畳や壁などあちこちがベタベタになっている。正直、この環境が受け入れられないという人もいるだろう。
ちなみに、気取らないのは雰囲気だけではない。テーブルに無造作に置かれたアジシオ、ガーリックパウダー、胡椒、一味、ごま、などの調味料も「気軽に、好きなように食べて」というお店からのメッセージのように思える。
メニューは非常にユニーク。「がんこ」「びんた」「あれ」「なんだっけ」「あそこ」…など意味不明の名前が並んでいるのだが、聞いても教えてくれない。敢えて教えないということになっているそうだ。訪問時はがんことびんたしかなかったので両方食べた。がんこはおそらくすじ肉、びんたはツラミだった。味付けは塩胡椒中心の塩ダレ。濃い味だが店の雰囲気にはマッチしている。とくにがんこやびんたなどの繊維がしっかりしている赤身に合う。
白ホルモンと呼ばれる豚のホルモンもイチオシだ。脂をきれいに掃除したタイプのホルモンで、カリカリになるまでよく焼いて食べるとスナック感覚でいくらでも食べられてしまう。
いつも大勢の客で賑わっているらしく、時には行列する事もあるそうだ。オペレーションは決してスムーズとはいえず、場合によっては待たされたり、こちらが気を使って注文のタイミングを計らねばならないようなこともある。しかしながら、それらもすべて含めて愛すべきと思わせる店である。
左が「びんた」右が「がんこ」
店内の様子
豚の白ホルモン
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・びんた、がんこ、豚の白ホルモンなどがお勧め
・「あれ」「あそこ」などの謎の名前シリーズは解明できておらず