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広島・山口遠征レポート Day2#2

肉コラム広島・山口遠征2011

ここで今一度、見島牛について触れておかねばなるまい。
「見島牛」は、
和牛の元牛といわれている日本在来の牛である。
現在「和牛」と呼ばれている牛は、
日本在来種の特徴である「霜降り」「肉質の良さ」と、
外国種の持つ「体の大きさ」という特徴を融合すべく
交配によって開発されたものだ。
そんな中、この「見島牛」は、萩沖の孤島「見島」にて
純血を守り続け、現代にその姿を残している牛なのだ。
何と天然記念物にも指定されているほどである。
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そのため、基本的に牝牛を食べる事はできない。
雄のみが食用に回されるが、その数は年間わずか12頭ほど。
つまり、月に一頭という割合である。
しかも出荷の時期が決まっている訳でもない。
「幻の牛」とも呼ばれるゆえんである。
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見島牛の販売は一社のみが取扱っており、
都内のレストランなどにも少量を卸しているらしい。
が、高価で貴重なこの肉を仕入れている焼肉店はない。
…ただ、一店のみを除いては。
それが今回向かっている、国内唯一の見島牛販売会社が直営する
「網焼レストラン見蘭」なのである。
しかし、それとて決して確率のよい賭けではない。
直営店といえど見島牛を入荷するのはひと月かふた月に一度程度。
それも数日で売り切れてしまうほどのわずかな量だ。
訪問前に電話で尋ねたが、次の入荷の時期など全く分からないし
もちろん見島牛の予約などできるはずもない事だった。
つまり、萩まで出向いたところで
見島牛の焼肉が食べられる可能性はかなり低いのである。
それでも我々は、クルマを飛ばして萩に向かった。
1%でも可能性がある限り。幻の肉をこの手で焼くために。
まさに「焼肉の神様」に祈るしかない状況なのであった。
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店についたのは想定よりだいぶ早く、まだ開店前だった。
何気なくガラス越しに店内を覗き込む。
するとレジ横に、一枚のポスターが貼られているのが目に入った。
ガラスに顔を近づけ、目を凝らしてみる。
「天然記念物 見島牛 緊急入荷」
 
 
 
………!!
 
 
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(つづく)
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