幻の「見島牛」に巡り会えるかは肉の神のみぞ知る
網焼きレストラン見蘭(山口・萩)
山口県萩市堀内89番地 (ミドリヤファーム内)TEL:0838-26-0141
11:30-14:00(全予約制・10名より)・17:00-21:30/月休(祝の場合は翌日)
予算:5000〜7000円
予約可
肉マニア、和牛マニアならば「見島牛」の名を聞いた事があるかもしれない。現在の和牛のルーツといわれ、天然記念物に指定されている「幻の牛」。この見島牛を焼肉で食べられる、(2012年)現在日本で唯一の店がこの「レストラン見蘭」だ。
母体の「みどりや」は見島牛を全国で唯一販売している会社でもあり、見島牛とホルスタインをかけあわせた「見蘭牛(けんらんぎゅう)」の肥育、販売もしている。見島牛自体は本土から離れた「見島」で生まれる。雌(めす)ならばそのままそこに残って育てられる。一方雄(おす)は本土に連れてきて去勢され、肥育されるという訳だ。
しかし、その雄ですら屠畜されるのは年間わずか10頭ほど。懇意の取引先や併設のショップでも販売するため、このお店にまわってくるのは年5-6回程度だそうだ。従って入荷の時期も全く読めず、入っても数日で売り切れてしまうという人気。もちろん取り置きなども出来ないので、萩市の中心地からすこし足をのばし、萩城跡近くにあるこの「レストラン見蘭」まで来たからといって見島牛を食べられるとは限らない。いや、正直確率はかなり低いのだ。
一方、店名にもなっている「見蘭牛」はだいたい常備しているそうだが、すべての肉がそれとは限らないのでオーダー時に店員さんに確認した方がいいだろう。
我々は幸運にも見島牛にありつけた。訪問日の前日に入荷したそうで、翌日には無くなる見込みだとのことだった。その前の入荷は2ヶ月前だったそうなので、まったく肉の神に感謝する他はない。
さてその味だが、肉の味が濃く力強い印象。霜降りも適度にある。短角牛のような赤身を想像していたが、むしろ黒毛和牛に近い柔らかさと赤身本来の旨味を兼ね備えているようだ。噛むほどにコクがあり、ここちよい香りが立つ。正直、見島牛と出会えた感動で美化されているかもしれない。しかしもしあなたが出たところ勝負でここを訪れ、見事見島牛に出会うことが出来たならばきっと同じ感動を味わえるはずだ。
一方の見蘭牛も美味い。例えば中落ちは脂多めだがさっぱりと軽い口あたり。これはこれで充分に楽しめる焼肉だ。
最後に、残念ながら見島牛に巡り会えなかった場合。レストランの向いのショップで精肉を販売しており、こちらの方が見島牛を置いている確率は高いそうだ。敷地内にはBBQスペースもあるからここで焼くという手もなくはない。しかしBBQも事前予約が必要なので、いずれにしても賭けの要素は入ってしまうのだ。あなたの肉運を試すつもりで、もしも出会えたらラッキー、というくらいの気持ちで訪れることをお勧めしたい。
肉の神からの当選通知
見島牛の特上ロース
見島牛のイチボ
<YAKINIQUESTよりヒトコト>
・見島牛を食べられるかはとにかく賭けだ。過剰に期待し過ぎず、運に身を任せよう。